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佛光寺さんの野菜市場通信

第8号 水菜は京野菜

九条ねぎと共に古い歴史を持つ水菜

まるまる太った大株の水菜が本来の姿

 今ではスーパーに普通に並ぶようになった水菜。その生産量は京都より茨城県の方が多い野菜の一つになってしまいましたが、実は水菜は京野菜の中でも九条ねぎと共に古い歴史を有する京野菜なのです。

 皆さん、スーパーで販売している水菜、袋に入り薄っぺらいサラダに使う野菜だと思っておられる方が多いのでは?

実は、水菜は白菜のように大玉で抱えるような大きさが本来の水菜。日本原産の数少ない野菜のひとつで、流水を畑の畦間に引き、栽培される事から水菜と呼ばれるようになりました。古くは平安時代に栽培されていたと考えられています。

文献の記録では、1645年『毛吹草』や1686『雍州府志』の農学書に記載され、『水菜は蕪の葉より旨く、その種子から採った油を刀剣に塗ると錆びない』等と記載があります。江戸時代から昭和までは主に京都を中心とした関西でよく食べられ、中でも水菜と鯨肉のはりはり鍋は大阪の名物料理で水菜の需要は主に鍋料理や煮炊きが中心でした。

伝統的な水菜の生産は上鳥羽の一部の農家さんに残っています。

大株の水菜は茎の部分を丁寧に除きます。その作業を面取りと言いますが、この作業をして出荷する伝統的な農家さんは極僅か。面取りに使う刃物を製造する鍛冶屋さんも今はもう無くなり、大切に使用されています。また、大株の水菜には細かい葉がたくさんあるのですが、それを丁寧に掃除する事により長く新鮮さが保てる訳なのです。昔は京都や大阪の料亭の需要が多く、また大家族であったため大株の水菜が定番でしたが、平成に入り、サラダ用のぺらぺらの水菜が普通になり、また、京都以外の他府県で大量に生産されるようになってからは、大株の水菜の需要が激減しているのが現状です。

ちょっとこぼれ話・水菜と壬生菜

壬生菜は水菜の突然変異。

1800年代の江戸時代、新撰組で有名な壬生あたりの畑で栽培されていた水菜の葉が丸くなりました。以降、壬生の地名をとって壬生菜と呼ばれるようになり、千枚漬けに欠かせない京野菜となりました。その味わいは、水菜より濃厚で、お漬物や煮炊き物に最高です。水菜の弟分と言ったところでしょうか。水菜が全国的な野菜になった今、壬生菜はずっと京都で守って行きたい京野菜の一つです。

水菜の期待できる効用

水菜にはビタミンA(カロチン)・ビタミンC・ミネラル(特にカルシウム・カリウム・鉄)が多く含まれています。また食物繊維も豊富で整腸効果も期待できます。

 

 ビタミンAには喉や鼻の粘膜などに潤いを与える効果があり、ビタミンCにはストレス解消や細菌への抵抗力を高める効果がありますので、冬の風邪予防や肌荒れなどに大変効果があるようです。

また、冬の食生活では不足しがちなミネラル分を補充することもできます。

但し、ビタミン類は水溶性でお鍋や煮炊きものにすると出汁の中にビタミン類が溶けるので、お出汁も食する事が重要なポイントです。

●風邪予防・免疫力UP

●貧血・ミネラル補給

●アンチエイジング

●便秘・むくみ対策

 

 僕自身、ちょっと体調が優れない時や二日酔いの時は、大量の水菜をサラダで食べます。単純にポン酢をかけて食べたり、飽きたら、お酢+オリーブオイル+柑橘+みりんのドレッシングで。翌日はスッキリ!おすすめです。

 

水菜の簡単レシピ

水菜とお揚げさんの炊いたん

定番のおばんざい。

【材料 (2人分)】
水菜・・・・・1/2束(110~120g)
油揚げ・・・・1枚
かつお出し・・150cc
みりん ・・・・大さじ1
淡口醤油 ・・・大さじ1.1/2

 

1・洗った水菜を食べやすい長さに切ります。

2・お揚げさんは油を抜かずそのままで。大き目にカットするのがポイント

3・かつお出しを火にかけみりんと淡口醤油で味を整え、油揚げを入れます。

4・出汁が再び沸いてきたら水菜を入れ、全体をぐるっと混ぜ、水菜に軽く火が通ったくらいで器によそい出来上がり!

ぶりと水菜のしゃぶしゃぶ

上鳥羽の農家さんに教えていただきました!シンプルに水菜とぶりのしゃぶしゃぶ。

【材料(2名分)】

・ぶり・・・・2パック

・大株水菜、なければ水菜4袋分程度

 

1・お鍋に昆布を入れ、出汁が出るまでおいておきます。

2・お鍋に火をかけ、くつくつ気泡が出てくれば昆布を引き上げます。

3・お鍋が沸騰すれば水菜を入れ、薄く切ったブリをしゃぶしゃぶ!

4・お好みでポン酢や紅葉おろしを。

 

味に飽きたら、豆腐やお揚げさんを入れてお楽しみください。

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