河原町通の喧騒を離れて高辻通を一筋東へ。路地を少し南に下がれば、そこはもうしっとりした静けさの世界。「ひとこえ多奈加」の看板がかかった京町家ののれんをくぐると、目の前には高瀬川。川に面したテラスを全面開放した客席に座れば、手を伸ばせば届きそうなところに高瀬川のせせらぎが。川の中央付近では、オオサギがゆったりと羽を休めていました。

長年料理店を切り盛りしてきたご主人が、息子さんに代替わりしたのをきっかけに、奥さんと2人で高瀬川沿いにカフェをオープンして5年目。和食を中心としたランチとカフェのほか、会合やイベントに店舗スペースを貸し出すこともあるという、ちょっとした隠れ家的なお店です。
今回ランチでいただいたのは京湯葉と玉子のごはん（1200円）のセットメニュー。湯葉と玉子の味付けが少し甘めで薄味のところが京都風。なすとインゲンの煮浸しの上品な味付けの小鉢、しっかりとだしのきいた赤出汁とともに、バランスのとれたセットです。少しずつ4種類いただける京風漬物もうれしい。
ランチメニューはほかにも、親子丼（1200円）、だし巻きと焼き物のごはん（1500円）、まぐろ丼（1500円）など。いずれもセットメニュー、料金は税込み。塗り盆で供される目にも美しい京風ランチのほか、カレーライスやざるそばなどというオーソドックスなメニューも。また、ゆず茶やわらびもちなどのカフェメニューもあるので、買い物や観光で歩き疲れたらちょっと立ち寄ってみたくなる、そんなほっこりするお店です。