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【講演感想】「食べる」から見えてきた、もう一つの伏見の歴史

まいぷれ京都市伏見区編集部

みなさん、こんにちは。
伏見の魅力を発信するキュレーターです。


‥‥‥‥‥‥‥


先日、歴史番組でもおなじみの磯田道史先生の講演会を聴講してきました。


テーマは、「『食べる』からみた伏見の歴史」。


「食べる」と聞けば、伏見の酒や名産品、あるいは巨椋池の恵みなど、食文化のお話を想像していました。ところが、講演で語られたのは、もっと深く、人間社会の本質に迫る内容でした。


私が会場へ入ったのは講演開始30分前。ところが、すでに磯田先生のお話は始まっていました。

「話し始めると止まらないんです。」

そんな先生の言葉どおり、軽快で分かりやすい語り口に引き込まれ、気が付けば時間を忘れて聞き入っていました。


講演の中心となったのは、江戸時代の「食べる」という行為から見えてくる、社会の大きな格差です。


舞台は、天保の大飢饉(1835~1837年)。


全国で多くの人々が飢えに苦しみ、命を落としていた時代です。そんな中、伏見では奉行所の役人たちに対し、豪商が豪華な料理でもてなしていた記録が古文書として残されています。


一方では、食べるものさえ手に入らず命を落とす人々がいる。

もう一方では、豪華な料理を囲む人々がいる。

それが、同じ時代、同じ場所で起きていた現実だったのです。


この話を聞いたとき、私は大きな衝撃を受けました。私たちがテレビや歴史の教科書で目にする歴史は、多くの場合、将軍や武将、政治の動きなど、いわば「表舞台」です。しかし、その裏側には、名前も残らず、時代に翻弄されながら生きた庶民の姿があります。


例えば、来年放送予定の大河ドラマ『豊臣兄弟!』。描かれるのは英雄たちの活躍ですが、その背景には戦があり、多くの武将だけでなく、数え切れないほどの庶民が命を落としました。


歴史は、英雄だけがつくったものではありません。むしろ、その時代を生きた無数の人々の暮らしの積み重ねこそが、本当の歴史なのかもしれません。


また、講演では、江戸時代の政治や社会についても触れられました。身分制度のもと、秩序を重視する統治が行われ、出版や思想にはさまざまな制限が設けられていました。現代とは価値観も制度も異なる時代ですが、古文書を読み解くことで、当時の政治や社会の空気まで感じ取ることができます。


伏見には、酒や城、寺社仏閣だけではない魅力があります。古文書や史料をひもとけば、この町で生きた人々の喜びや苦しみ、そして時代の空気が、今も静かに息づいています。


歴史とは、過去の出来事を覚えることではなく、その時代を生きた人々に思いを巡らせること。今回の講演を通して、私はそんなことを改めて考えさせられました。


伏見を歩くとき、少しだけ視点を変えてみる。

すると、これまで見えていなかった「もう一つの伏見」が、きっと見えてくるはずです。


基本情報

名称まいぷれ京都市伏見区編集部
フリガナマイプレキョウトシフシミクヘンシュウブ
住所612-8364 京都市伏見区下油掛町157-1 メゾンナガサワ-102
アクセス京阪本線伏見桃山駅より徒歩8分
京阪本線中書島駅より徒歩8分
近鉄京都線桃山御陵前駅より徒歩9分
京橋バス停より徒歩1分
メールアドレスmypl@bond-town.com
営業時間土曜、日曜、祝日は休業日です。
駐車場なし
近隣のパーキングをご利用ください。
開業日2019年02月01日
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