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佛光寺さんの野菜市場通信

第5号 九条ねぎの栽培について

種から栽培すると、収穫までなんと2年!もかかるのです。

ねぎは生命力が強く、比較的簡単に栽培ができます。スーパーで買ってきた九条ねぎの根をプランターに植えておくだけでも勝手に成長してくれますが、種から育てようと思うと、これは大変!

今回は、九条ねぎの一生をお届けします。

冬が終わり、桜の季節を迎え、そしてその花が惜しまれつつ散るころ、九条ネギの畑には、葱主頭が勢ぞろい。九条ネギを始めネギは繁殖力も強く、畑ではネギ坊主が次の子孫を残すため頑張っています。

 

 上鳥羽の農家では、代々自家採種でその血を守っています。 また、ネギ坊主が出来る頃のネギは、物凄く堅くなります。(その為、農家さんはその頃のネギを “ばち” と呼びます。)

 

 ねぎが花を咲かせた後、種取をします。

 

 春に採種した種を、秋に畑にまき冬を越し若ねぎに育てます。翌年の春から夏には、細く柔らかいねぎに育っています。(この時点で収穫すると、九条ねぎの夏ねぎです。)

翌夏

 育ったねぎを一旦、抜き干します。こうして゛ねぎ”をいじめる事で、秋~冬にかけて、ねぎがたくましく、美味しく育つのです。それにしても、ねぎて抜かれても平気で、生きてるんですね!

翌秋~冬

 種から発芽した根を3月頃に仮植えし、 暑い夏の時期に一旦抜き、約1ケ月程干されます。 そして9月頃に畑に戻され、寒くなる11月終わり頃から 3月半ばまで収穫されます。 干す理由は、発根がよくなり、分けつが進み太くな るからです。

冬に旬を迎える九条ネギは、寒さから身を守る為、 体内に栄養をため込みます。あのどろっとした餡が 九条ネ ギの美味しさ!農家さんはその餡を “鼻たれ” と呼びます。九条ねぎの旬は、何と言っても冬!すきやきに、お鍋に大活躍をして、皆さんを笑顔にしてその一生を終えるのです。平安の昔から愛されてきた九条ねぎ。そう思うと歴史とロマンを感じさせる京野菜の代表格。

 紫式部、小野小町、平清盛、源義経も食べていたんでしょうね!

九条ねぎは栄養満点!~食べると賢くなると言われた遠い記憶

 

「九条ねぎの栄養」

 

 九条ねぎは、カルシウム・リン・鉄分・カロチン・イオウ・ビタミンB1、B2など豊富に含みます。

●カロチンは青い葉の部分に多く含まれます。

●ねぎ臭さは、アリシンと言う揮発性成分で、熱に弱く、熱すると効力は失われますが、旨味に変わるのが特徴です。

●ねぎの甘味

 寒ければ寒いほど甘味を増すねぎ。その理由は冬の寒さに耐えるため、白い部分にたっぷりの糖分を蓄えるからです。特に厳冬期を耐えたねぎは、味が良いだけでなく、タンパク質や薬効成分も増します。ねぎには、発汗作用や消化液の分泌を促進する作用があるため、古くから薬味として使用されて来ました。これは、硫化アリル、アリシン、イオウなどの働きです。また、ねぎの粘膜は保護作用とあいまって、火傷や止血などの薬としても使用されてきました。

 

アリシン:血行を良くして、身体を温め、肩こりや疲労回復に役立ち、神経を鎮め体調を整える効果があると言われています。

イオウ:沈静効果が期待でき、不眠に効果があると言われています。

 

次号は、九条ねぎのレシピをお届けします!お楽しみに!

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