◇衝撃の、ベルリン・アイスとの出会い
アーティストがたくさん暮らす、風情ある「あじき路地」に、また一軒、とても魅力的なお店がオープンしました。PICARO EIS。町家で営業する本格的アイス屋さんです。
『PICARO EIS』さん命名の由来は、ご主人のヒロアキさんが暮らしていたベルリンで呼ばれていた愛称PICと、お連れ合いさんのお名前キャロラインさんとの合名。EISは“アイスクリーム”のドイツ語です。

ヒロアキさんはベルリンで食べたジェラートに大きな衝撃を受けたのだそう。「なんじゃこりゃ？！」　それは、いままで食べたどのアイスクリーム、ジェラートとも違っており、あまりの美味しさにノックアウトされたのでした。
すっかりその風味に魅了され、すぐ現地のお店に弟子入り。修業を積んで、やがて独立。ベルリンでジェラート職人として過ごしていたのですが、お嬢ちゃんを日本で育てたい想いもあり、2018年12月に帰国。「まるでここに呼ばれたかのよう」に、「あじき路地」にお店を構えることになりました。

◇あの「感動」を日本、京都で伝えたい
静かに佇む町家の引き戸を開けてなかに入ると、二段構えのショーケースには、それぞれ種類の異なるアイスが並んでいて、個性の際立つアイスが十人十色に「わたしがイチバン」と主張しているようです。初めて見る組み合わせに、心が躍ります。スタンダードなものも、店主のお眼鏡に叶った素材を厳選しているのがわかります。
迷いましたが、おススメという「三種盛り」にしてもらいました。

一口舌に乗せ、ことばを失いました。
いままで食べたどのアイスより美味しい。表現することばがなかなか見つかりません。そこにあるのは、ただ“感動”です。

気になるお値段は、なんと1カップ500円。1種類でも3種類でも、もっとたくさんの種類でも、値段は変わらず。ベルリンでは、リーズナブルに極上のアイスが食べられる、できるだけそのスタンスを引き継ぎたい、なぜならアイスはだれもが気軽に楽しめるものだから、という『PICARO EIS』の哲学が垣間見えます。

『PICARO EIS』のもうひとつの特徴は「一期一会」。
アイスの種類は、毎週木曜日にフルチェンジするのだそう。フルチェンジです！　つまり、二度と同じアイスには出会えない。でも、「新しい味を考えるのは楽しい」というヒロアキさん、お客さまに「どうですか？」と問うことも忘れません。ときには辛口の意見が返ってくることもありますが、一つひとつのコメントに真摯に向き合う姿が印象的でした。

日々成長を続けるアイス屋さん。
だからこそ、「一期一会」ということばがこんなにも響くのでしょう。
来週も、また違う顔ぶれを見に来たい。『PICARO EIS』さんがどんなふうに進化していくのかを見守りたい。そんな気持ちになりました。
ぜひ、自分の目と舌で“感動”を味わってください。