伏見人
自然のあるがままを受け入れ“そのままの蜂蜜の味”を守り届ける伏見のすてきな養蜂家親子☆

本日の伏見人は、桃山南口にある『京都ヒグチ養蜂園』の樋口義明さんと敬祐さん親子にお話を伺いました。
義明さんが好奇心から進みだした養蜂家の道。
様々な養蜂のスタイルを経て、お店を構え直売することになった経緯とは?
現在樋口さん親子はどんな想いを大切にこの仕事に立たれているのでしょうか?
これまでの樋口さん親子、そしてこれからのお話を聞かせていただきました。


義明さん》
19歳の頃、高校を出てすぐ美術系の学校に進もうと思っていたのですが、興味があったこともあり好奇心から養蜂家の道を選びました。
先ずは、静岡県の養蜂家を訪ねて弟子入りし、鹿児島県に修業に渡り養蜂の基礎から勉強をさせて貰いましたね。
最初は季節に合わせて南から北へと場所を変え、日本各地で取れる蜂蜜を採取しそれを卸して、とそんな養蜂を行っていました。
15年ほど経ち、自分達の管理する養蜂場でとれた蜂蜜を瓶に詰めお客さまに直接お届けしたいという思いが強くなり、産まれ育ったこの場所に京都ヒグチ養蜂園を構え直売を始めました。
夫婦で養蜂をしていたので、子どもが小さい頃は朝から一緒に巣箱のある山へ行き自然の中で遊ばせていました。
環境的にも親の仕事を見ていてくれたこともあり気がついたら自然と手伝いをしてくれていましたね。
小学生の時には学校を休んで養蜂の手伝いをして貰ったこともあったんですよ。笑
敬祐さん》
大学を卒業し、東京で皇居の護衛官をしていたのですが両親の事が気になっていた事もあり、勤務地を京都御所に異動してもらい4年程勤務していました。
自分にとって昔から生活の一部にあった養蜂。
家の中に普通に蜜蝋の香りがしたり、とごく自然に養蜂というものが身近にありました。
やりたい仕事でもあったので護衛官の仕事を辞め、養蜂園の道に進みました。
それからは父と一緒に養蜂をしていますね。


自分たちで蜜蜂を飼育し、取ったものそのままを瓶に詰めて売る。
この様式の良さは、入り口から出口までしっかり見届けることができる、というか、そうしないと責任がとれませんよね。
何かあった時は責任は全てこちら、それも全て受け止めた上でお客さまに提供している。
このスタイルだからこそ信用していただけていると思ってもいるんです。
僕は取るに足らない言葉を沢山並べて付加価値をつけるのが一番嫌なんです。
“採取したそのままですよ”というだけで充分伝わると思っているので、不要な装飾をすることはかえって対極になると思っています。
京都ヒグチ養蜂園の蜂蜜は、人工的な濃縮加工で糖度を高めることはありません。
また、脱臭脱色加工や精製蜂蜜などの混和も行っておらず、濃度や風味などは採取したありのままのものを瓶に詰めています。
天候や花の咲き具合によって採蜜量はその年によって変動したりするものの、松茸のように極端に高くしてはならないと思っているんです。
京都ヒグチ養蜂園の蜂蜜は良いものですが、一般の人も手に取れる価格設定を心がけています。

巣箱を使用したインテリアが素敵な店内。取材時(2025年1月)には、売り切れで商品がかなり品薄になっていました☆
義明さん》
好きな所は桃山御陵ですね。
元々産まれ育った場所がここなので昔から身近にある場所で、とはいえ昔のごりょうさんは現在のような雰囲気という感じではなく、裏山のような感覚でした。
季節によっては竹の子を取ったり芝刈りをしたり、また自分は、学校も桃山小学校、桃山中学校、桃山高校と全てあの道を通って通っていたものですからね。
小学校の頃は道の無い山の中を通って帰るのが日課で、桃山御陵は当時の子ども達の遊び場所でしたね。
敬祐さん》偶然なのですが、僕も好きは所は桃山御陵なんです。笑
階段を上がりそこから宇治川を眺めるだけでリフレッシュできますよね。
散歩をする人が知らない人どうしでも自然と挨拶をして行き交いをする、そんな所も好きなポイントですね。

親子それぞれがオススメの場所としてあげる桃山御陵。
敬祐さん》
この界隈だと南大島町にある、ピーターフロッグ さんですね。
もう一件この界隈だとOtotojet というお店があり、お魚がとても美味しくて好きなお店だったんですが紫野の方に移転されてしまいましたね。
伏見区の中だと他にも、cafe & dining Shelo's Craft さん、Bistrot MANKAI さん、お料理がとにかく美味しくてとてもオススメのお店です。
伏見区以外だと木屋町にあるイタリア食堂910 さんも好きなお店。
当店のうわみず桜の蜂蜜を使用してくれていたりと、素材への拘りもありお料理も美味しくて素敵なお店なんですよ。
義明さん》
オススメのお店ではないのですが、一番最初に養蜂を教えてくださった師匠が南米の方を日本に呼び養蜂を教えたりと、そんな活動をしていた方でした。
その師匠が強くオススメしていたのが、ブラジルにあるイグアスの滝でしたのでそこが頭を過りました。
オススメではなく私の行きたい場所の1つですね。笑

九月の蜂蜜のラベルはなんと義明さんのイラスト!可愛くて全部集めたくなってしまう養蜂家あるあるがたまりません。笑

義明さん》
息子が大学生の時に妻が倒れ、お店の事や養場の事と手が回らない状態になったときも、4年間の大学課程を3年で履修し手伝いをしてくれたりと…本当に息子には助けられました。
お店も今年で40年になり、これからは長くこの仕事を手伝ってくれていた息子に任せようと考えているんです。
これまで50年以上養蜂に携わってきたのですが、これまで学んだ事、やってきたことを踏まえた上で本来の自分のやりたかった養蜂をしてみたいと考えています。
凄く遠回りな事かもしれませんが究極のアマチュアリストといいますか。笑
これまでの経験を経て、突き詰めたその先にある扉を開けてみたい。
それが今後の目標かな?
敬祐さん》
父がこれまで大切にしてきた事を壊さないように、これからもお客さまを大切にしていきたい。
気取った事をせずただただすべき事をする、それが今後も目標ですね。


義明さん》
最後の晩餐に食べたいものは、卵かけご飯とみそ汁ですね。
最後の日も昨日の続きの今日。
普段通りが良いということです。
敬祐さん》
僕は桃山南口のやきとり大吉に皆で行って、全部のメニューを食べる!ですかね。笑
【編集コメント】
お話を伺う中で、皇居の護衛官から転職をされた敬祐さんの思い切った行動に私は一番驚かされました。
とても立派な仕事に就かれていた中、父と同じ道を選ばれたのにはきっと、これまで義明さんが養蜂という仕事に向き合ってきたその姿勢や想いをしっかりと感じ取れていたからこそ出来た決断なのではないかと感じました。
天然100%の蜂蜜は自然のものであるがゆえ、天候や災害に採蜜量が左右されたりととても貴重な物。
ですが、過剰に価値をつけたりと不要に飾らず、シンプルに伝え届ける事を大切にされる樋口さん。
そんな製品に責任を持ち親身に向き合い、そのままを提供することに拘る京都ヒグチ養蜂園の蜂蜜は私はもちろん、わが家の子ども達も大好きですっかりファン☆
今回のお話を経て、あの蜂蜜の瓶の中には自然のままの蜂蜜の美味しさに加え、樋口さん親子の自然に対する敬意と愛が詰まっているように思いました。
(取材 ちーこちゃん)
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。